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院長ブログ

山里の訪問診療2020/悲しい日々。

シリアスな問題です。

昨日、今日と二日続けて、 二人の高齢男性が救急搬送されました。

二人とも山中の一人暮らし。 二週間に一回私が訪問しています。 二人とも認定にちょっと及ばない障害があり、とても自分で炊事、家事ができない体力、環境でした。

年々強まる猛暑に関わらず、お二人共、社会的事情からエアコンを買うこともできず、 結果、

昨日の搬送された方は、CPA(心肺機能停止)の状況でした。歩行に問題があり、何かをしようとして軒先の石畳にうつ伏せに倒れ、起き上がることができず、発見された時は、直射日光で日焼けし背中は真っ赤だったようです。所謂、熱中症でのCPAでした。

今日の方も何処かへ行こうとしたのが山道歩行中、藪に落下。近所の方が幸いにも経過短く発見され、搬送。 致命的な傷病者は今のところない模様です。

このお二人、正直、2〜3日には一度は誰かがケアする必要がありました。しかし、ここにはスーパーもなく、コンビニもなく、食べるものを買う術もなく、高齢、特に独居の男性は、毎日生きて行くのに精一杯です。

何度も何度も、栄養ドリンクや補液、当院搬送による点滴静注などを勧めましたが、社会的事情で自らが望まれず、また私達も"善意"と"医の心" が "法律"と言う冷たい壁に阻まれ、地団駄を踏む日々が続いています。

今、何ができる? I must crawl before I walk. (歩けるようになるには、まずハイハイをしなければ。)

ここで達成感がある医療をするのなら、何かをまず試さねばなりません。

自問自問の夏が続いています。




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